1/4ページ目 昔、静かに暮らしていた一族がいた。 高い身体能力と独自の文化をもち、自然と通じる事が出来るという。 彼らはさらに細かく分かれ、 『風詠』〜カゼヨミ〜 『水鏡』〜ミカガミ〜 『紅蓮』〜グレン〜 『地守』〜ツチモリ〜 かつて滅びた竜族のように、それぞれ特化した属性ごとの里で暮らしていた。 蒼真もまた、その一人であった。 「さあさあ皆様お立ち会い! 世にも稀な一芸をお目にかけましょう!!」 元気いっぱいに声を張り上げる少年がいた。 通り過ぎる人々も足を止め、何事かと見入っている。 そして彼らもまた例外ではなかった。 「蒼真、何かやるみたいですよ!」 チリン、と鈴の音を鳴らし、ポニーテールの少年…失礼。少女が立ち止まった。 「大道芸か。あんな子供が、珍しいな…」 蒼真も雫姫に腕を引かれ、人だかりの中心に目を向ける。 見た目13、14歳ぐらいに見える。栗色の髪に琥珀色の目をした、愛嬌溢れる少年がそこにいた。 ふいに、ぼんやり彼を見ていた蒼真と少年の視線がぶつかる。 「それでは、そこの仏頂面したお兄さん!」 「…ああ?」 条件反射でギロリと睨む、仏頂面したお兄さん。 だが少年は構わず、 「このナイフを、僕めがけて投げてくれませんか?」 「なんで俺がンな事…」 返って来たのは、無邪気な笑み。 「お願いします☆」 「…っ」 おもむろにそれが過去の映像と重なった。 気の遠くなるような、遠い昔の… 「ダメ?」 いつの間にか目の前で蒼真を見上げる、琥珀の瞳。 「わかったよ、やりゃあいいんだろ?」 我に返った彼は、しぶしぶナイフを取り上げると、構えた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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