1/4ページ目 かつて、この世界には竜という生き物がいた。 高い知能と生命力、そして不思議な力… 永遠に近い命を持つとされていたが、この地上から彼らの姿は消えてしまった。 その生き血を飲めば、不老不死になれるなどという、そんな根拠のない噂によって。 そんな話も、竜という生き物も、今となっては遠い伝説の彼方である。 「やれやれ、やっとお前の服が買えたな。」 「はいっ! ありがとうございます!!」 蒼真の言葉に、雫姫は満面の笑みで頷く。 だが蒼真は、 「しっかし、服屋の店員、俺をまるで怪しい奴でも見るかのようにじろじろと…」 思い出し、苦々しく舌打ちをする。 遺跡で『魔剣』…雫姫と出会った時、彼女は服というものを身に着けていなかった。 町に着いてまず最初にしたのが、彼女の服を買い揃える事だったのだが… マント一枚羽織っただけの少女を連れた青年は、ハッキリ言って怪しさ爆発だった。 「かと言って、俺にゃ服の事なんぞわからんしな…」 そのため店員に服の組み合わせを頼んだのだが、時折痛い視線を感じながらの買い物となった。 よっぽど嫌な思いをしたらしく、いつまでも引き摺っていた蒼真だったが、 「でも、すごく嬉しいです!」 彼を見上げる、花の咲くような笑顔に。 (…ま、いっか。) なんて、なんとなくそう思ったのであった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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