1/5ページ目 ―――蒼真、…蒼真。 最近、私はいろんな夢を観るようになったんです。 楽しい夢、不思議な夢。 けれども、その中に… 『雫姫…怪我は、ないか…?』 血まみれな顔で、微笑む貴方。 その身は、痛々しい程に傷を受けて。 助からないのは、目に見えて明らかで。 けれども貴方は笑うんです。 『…良かった』 私なんて、護られるものじゃない。ただの『剣』なのに。 そんな私を庇って、血を流して貴方は笑う。 そして、笑った顔のまま…――― 「雫姫?」 「…そー、ま…」 雫姫が目を覚ますと、見知った顔が眼前にあった。 「どうしたんだ、お前…」 頬に涙の跡を残し、ぼんやりと宙を見つめる彼女を、心配そうに窺う蒼真。 だんだんと覚醒してきた雫姫の瞳から、途端に涙が溢れて。 「うぅっ…蒼真っ!!」 「な…なんだ!?」 起きたかと思えば押し倒さんばかりの勢いで飛びつかれ、蒼真は目を白黒させた。 「なんだよ…怖い夢でも観たのか?」 「…はい。…とてもとても、怖い夢…でした。」 震える小柄な少女を安心させるように撫でながら、優しい声色で蒼真が尋ねた。 「……話しちまえ。そういうの、抱え込んだままにしてるとツラいぞ?」 「話すのも、怖いんです…」 思い出したのか恐怖でより一層強く蒼真にしがみつくその姿は、伝説の魔剣と言うより小さな子犬と称した方が相応しい。 「そっか…なら、お前が話したくなったら聞く。とりあえずメシ食え。」 「…はい。」 青年は苦笑すると、少女の頭をもうひと撫でしてやった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |