1/5ページ目 彼女の足は、いつも気まぐれ。 楽しそうに大地が歌えば、その方向へ。 土の嘆きが聞こえれば、今度はそちらへ。 何者にも縛られず、心のままに西へ東へ。 さてさて、今日の行き先は…? ――森がざわめく声を聞いて、彼女…正確には『彼』なのだが、まぁそこは敢えて。 薄紅の髪の美女、地の竜帝ラキアはそこに向かっていた。 「なんだか嫌な感じがするわねぇ…」 「そうなんスか?…まぁ暗くて不気味だとは思いますけど。」 彼女(ツッコミ不要)の言葉に頷いたのは、付き従うように傍らを歩く長身の青年。 名前をガウルといい、それはラキアに名付けられたものだ。 「ま、それだけじゃないんだけど…アンタ、鈍感だものねぇ。」 「俺、石ッスから♪」 「そうだったわね…」 明るく笑い飛ばすガウルにラキアはがっくりと肩を落とす。 瞬間、ざわりと木々が騒いだ。 「うわぁぁぁっ!!」 一瞬後に聞こえた悲鳴に、二人は顔を見合わせる。 「何かしら?」 「行きましょう姐さん!」 と、ガウルの背中から明らかに人のモノではない翼が飛び出す。 「ちょっ…こらガウル!」 「先行ってますよ!!」 言うが早いかガウルは器用に木々を避けて、声のする方に飛び去った。 「………あの子ったら…隠しときなさいって言ったでしょうに…」 はぁ、と溜息をひとつ吐くと、ラキアもその後を追った。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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