1/5ページ目 ――強さを… "力"を求める者達の目は、欲に塗れていた。 少なくとも、彼女がかつて出会った者達はそうだった。 貪欲に力を求め、行き着く先は破滅の道。 そうまでして力を得て、たとえ世界の王となったとしても。 その者が満たされる日は来るのであろうか…―― 白に近い、淡い緑のクセのある跳ね髪。 額に巻いたバンダナを風になびかせて、青年は一人戦っていた。 「…くそっ、楽な相手じゃなかったのかよ!」 悪態を吐いても、返事といえば魔物達の唸り声。 それが今回の青年の標的…賞金首であった。 何種類かの獣が交ざったような姿をしたこの魔物は一匹ずつでは大したことのない相手だが、群を成し仲間を呼ぶ習性がある。 倒しに行く相手として、そんな情報は青年も入手済みだった。 そして、いくら増えても群の『頭』を潰せば簡単に片がつく事も。 だが… 「どこだよ、そのボスはー!?」 倒しても倒しても、群を纏める頭は見つからず、疲労が蓄積されていくだけ。 さらに、焦りのためかどの魔物もだんだん同じに見えてきて、状況は最悪だった。 (…まずい、) そんな考えが脳裏を掠めた、刹那。 ―グォッ!!― 青年を取り囲んで様子を伺っていた魔物の一匹が、好機と見るや飛び掛かる。 「しまっ…!?」 咄嗟の反応が遅れた青年は右肩に深々と牙を受けた。 「!――くっ、」 どうにか魔物を引き剥がすが、ダメージは大きい。 圧倒的な数の差に、己の態勢の悪さ。 このままでは… 「食らえッ!!」 自分ではない、別の声。 同時に巻き起こる一陣の風。 薄れゆく意識の端にその存在を捉えると、 「…お前、は…」 青年はそのまま、気を失った。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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