『竜剣』のお部屋

10〜罪〜
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「よぉ、ファナン。」
水色の髪の少年…こう見えて実年齢数千歳の竜、ファナンは聞き慣れた声に顔を上げた。
鮮やかな緑色の髪を三つ編みにした眼帯の青年と、
「アーリュオン、それに…」
ポン、と彼の頭に手を置き無造作に撫でる大柄の男。
「…グレアス、いい加減にそれやめてくれません?」
「何故?」
焔の髪の男、グレアスは不思議そうに尋ねた。
「何故って…はぁ、もういいです。」
相手にするだけ無駄だと思い、ファナンは肩を落とした。
こういう所はいくら歳月を重ねても変わる事はなかったのだから。
「…それで、二人して何の用です? ラキアにも会いましたけど…」
「ラキア? ま、アイツはああいう奴だからあちこちぶらついてんだろーケドさ。」
薄紅の髪をした彼…いや、彼女は気ままな性格だ。一所に止どまってはいないだろう。
「俺は見守っていくんだ、アイツらを。」
「魔剣の少女と、例の青年…ですか。」
アーリュオンは頷くと、白を基調とした美しい町並に目を向ける。
「アイツをあんな身体にしちまったのは、俺だからさ…」
風が、哀しい音をたてて通り過ぎた。
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