1/4ページ目 第六話 「フォルテ、おみやげは?」 「ああ、買って来たぜ。ほら。」 侵略の拠点で、このやりとりを何度見ただろうか。 すっかりほのぼのしてしまっている二人に、頭を抱える青年が一人。 山吹色の髪に青みがかった白の瞳をした童顔の青年、アルトは壁に背を預けてその様子を傍観していたが、ふいに口を開く。 「…それで、もうひとつのおみやげは?」 「なんだアルト、お前も欲しかったのか?」 「そうじゃなくて…」 その瞳が凍てつくような光を帯びる。 「侵略、だよ。最近楽しくやってるようだけど、進んでるの?」 その問いに、フォルテは思いっきり目をそらしてから、 「………まぁ、それはアレだ。えーと…」 「進んでないんだね。」 歯切れの悪い言葉を最後まで言う前に、アルトは結論を導き出した。 「僕が行こうか? …君が仲良くなったって子にも会ってみたいし。」 その微笑みの意味するところに、フォルテの殺気が密度を増した。 「…レンは関係ねぇ。手を出すな。」 一触即発なムードの中、残る一人がおみやげのカステラを食べ終えると、 「…私が、行こう。」 「レガート?」 藍色の長い髪に、切れ長の目。 物凄い量のお菓子を一人でたいらげていた事にさえ目をつぶれば、相当な美形に分類されるその青年は、それだけ言うとスタスタと出口へ歩いていく。 呆気にとられた二人は、思わず顔を見合わせた。 「…大丈夫、なのか?」 「……少なくとも、君よりはマシだとは思うけど。」 ただただ、その背中を見送るだけであった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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