1/5ページ目 第二十八話 闇に浮かぶ侵略者の居城。 薄暗く不気味であると同時に、そこはどことなく不安定な場所に見える。 「侵略、進まないなぁ…」 はぁ、と溜息を吐く猫目の少年はこう見えても冷徹な参謀役のアルト。 肘を置いたテーブルの上には、先程レガートに貰ったお土産のお菓子が。 それも彼の溜息の元となっているのだが。 「どいつもこいつもやる気あるの?…もぅ、レガートなんかホントは強いのにさぁ…」 「おーおー、悩んでるねぇ青少年♪」 「アンタも暇なら侵略行って来なよ。一応強いんでしょオッサン?」 ひょっこりと顔を出したオッサン…もとい、ロンドはいきなりの手厳しい言葉に肩を竦めた。 「おーこわ、アルトちゃんったらヒステリー?」 「誰のせいだよ全く…」 見た目はいかにも強そうな厳つい悪役然としているのに口を開けば気さくで明朗。 軽くおどけて見せるロンドをギロリと睨みつけると、再び溜息を深くした。 「ところでさ、俺知らないんだけどレガートって強いの? いつも食ってばっかの所しか見た事ないぞ。」 「…ああ、まぁね。」 容姿端麗、見るからに二枚目美形のレガートだが、その関心は常に食べ物の事にのみ向けられる。 口の中いっぱいに食べ物を詰めて、折角の美男子っぷりを台無しにしている姿ばかりがよく見掛けられた。 「…あんなんだから滅多に見せないんだけど、本気出すと強いよ、レガートは。フォルテも敵わないみたいだし…」 「へぇ」 「でも意味ないんだよなぁ…何より食欲優先なんだもん…」 頭を抱えながら机に突っ伏して嘆くアルト。 「…あ、じゃあさ、こういうのはどうだ?」 ロンドは何やら閃いたようで、そんなアルトに耳打ちした。 「…で、レガートに………な?」 「ていうか耳元で言う必要あんの?」 外ならともかく、ここは自分達の居城だ。 聞かれて困る話でもないだろう。 「それはなんとなく、雰囲気ってゆーか☆」 ロンドは親指を立ててばちこーんとウインクをした。 「オッサンきしょい。」 「少年ひどいっ!」 辛辣なコメントを返すアルトだったが、今回の作戦は決まったようである。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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