1/5ページ目 第二十七話 幼馴染がイイ笑顔をしている時は、大概良くない事の前触れである。 「いい天気だな、速水。まるで心が洗われるようだ。」 そう、だからこんな天使か女神のような笑顔や朗らかな台詞に騙されてはいけない。 その先には必ずと言っていいくらい悲惨な展開が待ち受けている…というのがこの幼馴染との長年の付き合いで嫌という程経験したパターンだからだ。 「?…どうしたんだ、速水?」 きょとんとした表情は鈴原の場合かなりレア。 もともと人目を引く美少女だから、その威力は抜群だが… (嫌な予感しかしねぇ。) 速水の本能が警鐘を鳴らしていた。 これはきっと何かの罠だ、と。 潤んだ瞳、紅潮した頬、薄く開いた口から洩れる熱い吐息も、何もかもが… 「ってお前まさか…!?」 「む?」 言うが早いか速水は鈴原の腕を取り、引き寄せた。 そして彼女の額に手を…いつもならこの辺りで鮮やかなカウンターを食らう所であるが。 「……熱い。」 「そうだな、今日は少し暑いな。ゾクゾクするほど暑い。」 「熱あるんじゃねぇかテメェェェェ!!」 速水の予感は、違う意味で的中していた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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