1/5ページ目 第二十三話 「オルフェ様ぁ〜」 静かな闇の居城に、主を探す少女の声。 最近この城にやって来た少女、ピアニカは今までいなかった賑やかで騒がしいタイプ。静まり返っていた城で、彼女の大きな声はよく響いた。 「…ったく、無駄に広い城だこと。」 小さな少女には広過ぎる城をキョロキョロしながら歩くと、ようやく主の後ろ姿を見つけた。 「あ、オルフェ様いたっ!…聞いて下さいよ〜アルトのヤツはひとの事ウザがるし、レガートはまた勝手に食べ歩きに行っちゃうし、ロンドのオッサンはま〜だ来ないし…ったくしょうもない野郎共だわ……」 若干自分を棚上げしつつの愚痴を言いながら微動だにしない主の前方に回り込み、見上げる。 「あ」 瞬間、ピアニカは固まった。 そこにいたのは、主のマントを羽織ってカツラを被り『疲れた。探すな』と書かれた書き置きを貼り付けた…身代わり人形。もっと言えば、案山子。 「…オ、オルフェ様が逃げたーーーーー!?」 さっぱり進まない侵略に言うことを聞かない部下達、元々思い詰めやすい真面目な性格の彼女にはいい加減限界だったのだろう。 主不在の城内に本日一番の叫びが響き渡った。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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