1/5ページ目 第二十二話 自称キュートなロリっ子ピアニカに、ラルゴ同様速水達の世界で俳優をやっているロンド。 新たな異世界の侵略者の名前は、リュート達の世界の国々に広まった。 もちろんそれは、砂漠に囲まれたここスタッカート城にも。 「…困った事になりましたね…」 城の広間で、花のような姫君がぽつりと呟いた。 憂いを帯びたまなざしで嘆息を零す様も絵になるくらい可憐な美少女、ビオラ姫は今、新たな敵の出現に頭を悩ませているようだった。 「そうですね…こういう言い方もどうかと思いますが、フォルテがこちらの味方になり、相手の戦力を削ぐ結果になったと…そう思ったのですが。」 控え目な言葉で同意するのは彼女の従者、シンセ。 だがビオラはそれに首を横に振り、 「…フォルテの事は、元々問題ではありませんでした。」 「え?…ですが姫、彼もかなりの使い手で、実際敵として対峙した時は脅威に…」 「いいえ。」 キッパリとした、否定の言葉。 彼女の瞳には強い意志の光が宿り、その威圧は従者を黙らせる程のものであった。 「…姫…」 息を呑み、シンセも次の言葉を待つ。 すると形の良い唇が、ゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。 「敵の大将は、綺麗な女性だと聞きます。さらにピアニカは今までいなかったタイプの女の子…」 「…へ?」 予想だにしなかった言葉に、シンセが言葉を挟もうとしたが。 「コーラス王女だけでも脅威だったのに、このままでは益々わたくしの影が薄くっ!!」 「………」 一瞬、時が止まった。 聞き間違いだろうかと頭の中で反芻してみても、確かに聞こえた内容に違いはなく。 「…えーと、何の話でしたっけ?…確か、新たな敵の脅威についてだったと。」 「だからそうだと言っているではありませんか!」 違う。何かが違う。 噛み合わない会話に従者はツッコミを入れたかったが、己の立場上それは躊躇われた。 「考えてもみて下さい。この前の話は確かにスタッカート城が舞台でしたが、ただ場所を提供しただけ。わたくし達は空気にも等しい扱いでした。」 「そ、それは見守っていくのが年上の役目かと…」 その時のセリフを用い精一杯の抗議をしてみても、暴走した姫君の勢いは止まらない。 「このままでは出番が少なくなっていく一方です! 何か策を講じねばこのままでは『空気姫』の称号を欲しいままにっ!!」 「ホントに何の話ですかっ!?」 ビオラ姫のボルテージとシンセの心の叫びが頂点に達したその時。 「ふっふっふ〜♪…お困りのようですね、お姫様ぁ?」 「何者です!?」 不遜な気配に二人が振り向けば、柱の陰に小さな少女が。 「ピアたん、参上…ってね★」 ツインテールのロリっ子、ピアニカは姿を現すと不敵に笑ってみせた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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