『ぶら☆夢』第二部屋

]]〜小さな刺客〜
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第二十話


闇の城の最上階。
主はひとり、悩ましげに溜息を吐いていた。
「はぁ…」
伏せた長い睫毛が朱の瞳に陰を落とし、その美貌に憂いを生む。
紺青の髪を指先で弄び、ぼんやりと見つめる先は虚空。
「……侵略は依然進まないし、アルトやレガートは勝手な行動をとるし…フォルテに至っては行方不明。」
ガックリとうなだれる背中は、暗雲を背負って。
「なぁ〜に辛気臭い声出しちゃってるんスか、オルフェ様ぁ?」
「っ!」
場違いに軽い声が響き、主…オルフェの思考が中断された。
「あんまりにもてこずってるようだからね、補充要員ってヤツ?」
「お前は…」
闇の中から現れた人影はオルフェに不躾とも言える笑みを向ける。
「んじゃ、アイサツ代わりにちょっくら行って来ますわ。ヘナチョコ野郎共より役に立ってみせますよ。」
「あ、おい…!!」
それだけ言うと早々に人影は姿を消す。
気配も遠のき、辺りには再び静寂が訪れた。
「…補充要員、か…また嫌な予感が…」
頭痛のタネが増えたと、彼女は頭を抱える。
「ラルゴ王…」
また、愚痴りたいな〜なんて思いながら、朱の瞳は遠くを見つめるのだった。
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