1/5ページ目 第二十話 闇の城の最上階。 主はひとり、悩ましげに溜息を吐いていた。 「はぁ…」 伏せた長い睫毛が朱の瞳に陰を落とし、その美貌に憂いを生む。 紺青の髪を指先で弄び、ぼんやりと見つめる先は虚空。 「……侵略は依然進まないし、アルトやレガートは勝手な行動をとるし…フォルテに至っては行方不明。」 ガックリとうなだれる背中は、暗雲を背負って。 「なぁ〜に辛気臭い声出しちゃってるんスか、オルフェ様ぁ?」 「っ!」 場違いに軽い声が響き、主…オルフェの思考が中断された。 「あんまりにもてこずってるようだからね、補充要員ってヤツ?」 「お前は…」 闇の中から現れた人影はオルフェに不躾とも言える笑みを向ける。 「んじゃ、アイサツ代わりにちょっくら行って来ますわ。ヘナチョコ野郎共より役に立ってみせますよ。」 「あ、おい…!!」 それだけ言うと早々に人影は姿を消す。 気配も遠のき、辺りには再び静寂が訪れた。 「…補充要員、か…また嫌な予感が…」 頭痛のタネが増えたと、彼女は頭を抱える。 「ラルゴ王…」 また、愚痴りたいな〜なんて思いながら、朱の瞳は遠くを見つめるのだった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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