1/4ページ目 第十八話 「なァんだ…フォルテ仕留め損なっちゃったの?」 「はい…」 薄暗い部屋に響く冷たい声と無機質な声。 「どうやら逃げ延びて、手当てを受けたようですね…速水君の所で。」 感情が抜け落ちた、人形のような無表情でかつての友人の名を出す蓮。 操られてしまっている今の彼にとっては、それすらもただの情報でしかないようだ。 「あんなバカでも敵に回ると厄介だからね。面倒な事にならないうちに…」 「…はい。」 可愛らしい顔とは裏腹に、冷酷にアルトは命令を下す。 と、 「それにしてもフォルテってば嫌んなるくらいの生命力…今度会ったらゴッキーとか呼んじゃおっかな?…服黒いし。」 そう言う彼はほんの少し楽しげに笑った。 それを見ていた蓮が、おもむろに声を発する。 「………アルトさん。」 「なぁに、レン?」 相変わらず抑揚のない声で、 「それを言っては僕達みんな真っ黒なので…」 「…う」 ここの者達は皆、形は違えど共通で黒ずくめの衣装を着ている。新入りの蓮も含めて。 淡々とそんなツッコミを入れられたものだから、 (…ゴッキー軍団…) ついうっかり、そんな図がアルトの脳裏に浮かんだ。 嫌な想像を吹き飛ばすようにアルトは力一杯首を左右に振り、 「…ったく、人形は人形らしくしてなよね…レン。」 「……はい。」 再び元の、冷淡な彼に戻る。 「ところで、レガートは?」 「先程から見当たりません。外出したのかと…」 外見は思わず注目を集めてしまうような長身美形の青年は、それとは釣り合わず中身は奔放な子供のようで勝手な行動も珍しくない。 「はぁ…まったく、どいつもこいつも…」 アルトは頭痛に頭を抱えながら、溜息を吐いた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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