『ぶら☆夢』第二部屋

]Z〜活力の光〜
1/4ページ目

第十七話


蓮がアルトに連れ去られ、敵となってフォルテを襲った。
ひとつの戦いが終わったばかりだというのに、まったく忙しない事だ。
『うーむ…大変な事になったのぅ』
あちらとこちらの世界を繋ぐ通信手段となっている、手のひらサイズの水晶球。
その向こうに映る兎耳の子供…こう見えても速水達よりずっと年長の大賢者ピッコロは腕組みをする。
『というか、これ自体ワナじゃあないのか?…油断させといて後ろからドン!…なんてゴメンじゃぞい?』
「う…」
これまで敵対していた者にたっぷりと刺を含ませて。
これぐらいは許されるじゃろう、と内心で舌を出すピッコロだったが、
「その位にしといてやってくれよ、じーさん…コイツだってヘコんでるんだ。」
落としかけたフォルテの肩をポンと叩き、速水がピッコロの前に進み出る。
「フォルテは嘘なんか吐ける奴じゃねぇ。オレが保証するよ。」
「マコト…っ」
速水を見上げるフォルテの涙腺は、早くも緩み始めていた。
(ったく、調子狂うのぅ…)
始めて見えた時は、自信に満ち溢れた好戦的な男だと思っていた。
だが今は、信じられないくらい弱々しいその姿にピッコロは溜息を吐く。
何より速水の言葉通り、回りくどい嘘や芝居を好むようには見えなかった。
『はぁ、もうええわい。野郎の涙なんぞ見せられてものう?』
「なっ! 泣いてなんか…」
しかしフォルテの反論を遮って、ピッコロは水晶球の向こうから手招きをする。
『とりあえずこっちに来い。その傷、治してやろう。』
「治せるのか?」
鈴原がチラリとフォルテを見、尋ねる。
応急処置を施して、包帯を巻いてあるそれは一日二日で治る傷ではなかった。
『治すのはワシじゃあないが、回復能力を扱える者がおる。』
ただし、速水達の世界では能力は使えない。
だからこちらに来いとピッコロは言ったのだ。
「ふむ…まずは怪我を治しに行くか。足手纏いになられても困るからな。」
「はは、キッツイお言葉で…」
ヒロインの容赦ない一言に苦笑しつつも、これで速水達の目的地は決まったのだった。
[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ