1/4ページ目 第十六話 夜も大分更けた頃。 速水宅ではまったりした時間が流れていた。 「はぁ…平和だな。向こうでの戦いが嘘のようだ…」 自室で渋茶を一口すすり、速水が息を吐く。 その姿は高校生と言うより、もっと歳のいった… 「…ツッコミと苦労の連続が、少年を老けこませた…か。」 「老けとらん! っていうかその原因の大半はお前だってわかってる?」 他人事のように呟く幼馴染の同居人をジロリと睨めば即座に目を逸らされた。 などと他愛もないやりとりを繰り広げていると、 「…、…ト…」 微かに聞こえる音……否。 「声?」 だがそれは窓の外(ちなみにこの部屋は二階である)からだった。 速水が鈴原に目配せすると、彼女は促すように視線を窓に向ける。 「…開けるぞ。」 ガラス戸を開けると、すぐ下の屋根に横たわる者がいた。 傷だらけながら、黒ずくめの格好に紅髪の青年は速水には一目で誰かわかる。 「フォルテ!?」 片手は窓枠に縋るように掛かり、名前を呼ばれて上げた顔は好戦的で自信に満ちた彼のそれとは思えないくらい弱り切っていた。 「マコ、ト…、…レンが…」 フォルテは速水達を見上げると、途切れ途切れに言葉を紡ぎ出した。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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