1/4ページ目 第十話 闇に支配されたように暗く冷ややかな居城。 鎖で繋がれ囚われの身となった王の前に現れた、この城の主。 「アルト、下がれ。」 「…。」 アルトは無言で頷くと命じられるままに、ラルゴから離れ退出する。 全身黒ずくめで、フードに隠された顔はわからなかったが、その声は意外に高く、艶っぽい。 (女性…か?) 少しでも情報を得ようとするラルゴに歩み寄ると、主は彼を覗き見た。 「居心地はどうだ? ラルゴ王。」 「歓迎はありがたいが、俺も暇じゃなくてね……早いとこ帰らないと劇場版イケメンジャーの撮影日が…」 「イケメン…?」 耳慣れない単語にきょとんと小首を傾げる。 思わず出てしまった本音。 こんな時にも仕事の話か、とラルゴは自分の事ながら呆れて笑う。 「ああ、こっちの話だ。」 「変わり者だな、随分と。」 「あんたも」 フードの下で、主が訝しんだように見えた。 「美人さんなのに、なんで顔を隠すんだ? 勿体ない。」 「…!」 この時、ラルゴは気付いていなかった。 たった今、自分が万人の女性を虜にする必殺技『イケメンフラッシュ』(まぁようするに笑顔なんだが)を放っていた事に。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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