1/5ページ目 〜ぶらり異世界☆珍道中〜 世の中『ひょんな事』というのは起こるモノで、それによってもたらされる影響は時にとんでもない事態を招く。 …そう、例えばこんな事態。 ――― 「ここ…どこだ?」 見渡す限りの深い緑に、黒髪の少年は首を傾げた。 そういう風景を見慣れていない訳ではない。 ただ、今彼が"ここ"にいる事が有り得ないのだ。 「確かオレは祠の…最深部にいたハズだ。」 歳の頃は十歳前後。 その幼い外見にそぐわない知的な黒の瞳は、しきりに辺りを見回し情報を得ようとする。 「ここは先程まで俺達がいた所ではないな、レグナス。」 深い草むらに埋もれていたらしい青年が、ガサッと顔を出す。 「ザード!…お前も一緒だったか。」 ザード、と呼ばれた青年は立ち上がると服についた草や土を軽く払う。 長い前髪に隠され気味の整った顔は無表情で、どことなく機械的な雰囲気だ。 「イリスとファリアは?」 「…この近くには見当たらんな。」 「…そっか。」 黒髪の少年…レグナスは少し考え込む。 残る旅の仲間、イリスとファリアともつい宣告まで一緒にいたのだ。 それが今は二人だけ、見知らぬ場所にいる。 (…どういう事だ?…これは幻か、それとも……いや、そもそも此所は一体…) ありふれた風景に見えるのだが、何か… 空気が違うとでも言うのだろうか。 「とりあえず、ファリア達を探そう。」 「あっ、おい!」 ごちゃごちゃ考えていても仕方がないと、ザードはサクサク先に進んで行ってしまう。 …が、その足がピタリと止まり、ゆっくりと振り向くと、 「…どこに行けばいいか、わかるか?」 その顔にはやっぱり表情はなくて。 「………だと思ったよ。」 レグナスは深く大きな溜息をついた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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