番外編

【〜猫猫子育て奮闘記★〜音印さんへ・コラボ
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〜猫猫子育て奮闘記★〜


『ギルド』…平たく言えば人材派遣の何でも屋、とはある天才魔法技師の言葉。

そのギルドの施設内、ナンバーと呼ばれる者の部屋にて。

―ピルルルルッ―

控え目な電子音が鳴り、音の発信源…携帯電話を手に取った白髪の青年は、見慣れない番号に不審に思いながらもボタンを押した。

「…もしもし」
『ネイン、だったかね?』
「アンタは…」

声の主に覚えがある青年…ギルドのNo.9、ネイン・サンダースは相手が目の前にいないにもかかわらずあからさまに嫌そうな顔をした。

『…そんなにハッキリと苦々しい顔をしないでくれたまえ。』
「ってなんでわかるの!?…っていうかロキシー、携帯持ってたんだ…」
『レディアに渡されてね。持っていた方が何かと便利だろう、と。』

電話の相手、ロキシーはギルドのオーナー・レディアとは旧知の仲らしく、何かとギルドとも交流があった。

…もっとも、奇妙な依頼内容のため名前を聞いただけで依頼を拒否する者も多いが。

「で、何の用? 確かそっちには数日前に…」
『ああ、ウォートに来て貰っていた。その事なんだが…』

と、部屋の扉が控え目にノックされ、ネインはそちらを振り返る。

「…っと、ちょっと待って、誰か…」

―ガチャリ。―

来客を出迎えたネインが、一瞬にして凍りついた。

『帰り際に彼に茶を出したのだがね、少々手違いがあって…』

その『手違い』は、たった今己の目で確認する羽目になった。

「ネ、ネイン…」

部屋を訪ねて来たのは、灰白髪の小柄な青年。
よく見れば彼の後ろにちょこんと、さらに小さな人影が見える。

そしてその人影は、先刻話題に出たギルドのNo.2…ウォートらしかった。

ただし、ネインの知る彼をうんと幼くしたらこんな感じ、というだけで本人かどうかは確かではないが。

灰色の髪に子供ながらに鋭い、猫のような金色の瞳。左目の上を通る特徴的な逆十字の傷……確かではないにしろ、現れたタイミングといいあまりにもバッチリ過ぎる。

『そろそろそちらに着く頃だと思ってね。』
「………ええ着きやがりましたとも一つ質問よろしいですかロキシーさん?」
『詳しい事はそこのクラストに聞いてくれたまえ。』

プツッ。

「後は任せた」とばかりに無責任に電話が切れた。

気まずい沈黙に灰白髪の青年、クラストがおそるおそる見上げるとネインはわなわなと震えていて、

「あンの傍迷惑マッドサイエンティストォォォォォォ!!」
「お、落ち着けネインっ!!」

クラストが慌てて止めても憤りはおさまらず、ギルドにネインの叫びが響き渡った。
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